古今和歌集の巻三巻「夏」の和歌一覧まとめ。
巻三巻｜夏
| 135 | わかやとの池の藤波さきにけり山郭公いつかきなかむ |
| 136 | あはれてふ事をあまたにやらしとや春におくれてひとりさくらむ |
| 137 | さ月まつ山郭公うちはふき今もなかなむこそのふるこゑ |
| 138 | 五月こはなきもふりなむ郭公またしきほとのこゑをきかはや |
| 139 | さつきまつ花橘のかをかけは昔の人の袖のかそする |
| 140 | いつのまにさ月きぬらむあしひきの山郭公今そなくなる |
| 141 | けさきなきいまたたひなる郭公花たちはなにやとはからなむ |
| 142 | おとは山けさこえくれは郭公こすゑはるかに今そなくなる |
| 143 | 郭公はつこゑきけはあちきなくぬしさたまらぬこひせらるはた |
| 144 | いそのかみふるき宮この郭公声はかりこそむかしなりけれ |
| 145 | 夏山になく郭公心あらは物思ふ我に声なきかせそ |
| 146 | 郭公なくこゑきけはわかれにしふるさとさへそこひしかりける |
| 147 | ほとときすなかなくさとのあまたあれは猶うとまれぬ思ふものから |
| 148 | 思ひいつるときはの山の郭公唐紅のふりいててそなく |
| 149 | 声はして涙は見えぬ郭公わか衣手のひつをからなむ |
| 150 | あしひきの山郭公をりはへてたれかまさるとねをのみそなく |
| 151 | 今さらに山へかへるな郭公こゑのかきりはわかやとになけ |
| 152 | やよやまて山郭公事つてむ我世中にすみわひぬとよ |
| 153 | 五月雨に物思ひをれは郭公夜ふかくなきていつちゆくらむ |
| 154 | 夜やくらき道やまとへるほとときすわかやとをしもすきかてになく |
| 155 | やとりせし花橘もかれなくになとほとときすこゑたえぬらむ |
| 156 | 夏の夜のふすかとすれは郭公なくひとこゑにあくるしののめ |
| 157 | くるるかと見れはあけぬるなつのよをあかすとやなく山郭公 |
| 158 | 夏山にこひしき人やいりにけむ声ふりたててなく郭公 |
| 159 | こその夏なきふるしてし郭公それかあらぬかこゑのかはらぬ |
| 160 | 五月雨のそらもととろに郭公なにをうしとかよたたなくらむ |
| 161 | ほとときすこゑもきこえす山ひこはほかになくねをこたへやはせぬ |
| 162 | 郭公人まつ山になくなれは我うちつけにこひまさりけり |
| 163 | むかしへや今もこひしき郭公ふるさとにしもなきてきつらむ |
| 164 | 郭公我とはなしに卯花のうき世中になきわたるらむ |
| 165 | はちすはのにこりにしまぬ心もてなにかはつゆを玉とあさむく |
| 166 | 夏の夜はまたよひなからあけぬるを雲のいつこに月やとるらむ |
| 167 | ちりをたにすゑしとそ思ふさきしよりいもとわかぬるとこ夏のはな |
| 168 | 夏と秋と行きかふそらのかよひちはかたへすすしき風やふくらむ |
